ザルティア 2014.5.2
こんにちは、
渋谷駅前クリニック事務長の二階堂です。
この4月に、【ザルティア】という前立腺肥大症の治療薬の販売が開始されました。
ザルティアの成分がED治療薬のシアリスと同じタダラフィルであることから、一部メディアなどで「シアリスと同じ薬が保険適用で安く買える!」などと騒がれています。
週刊誌などで目にした方も多いかもしれませんが、ここには大きな誤解がありますのでご注意ください。
シアリスとザルティアは販売名、規格、コーティングが異なるだけで、中身は同じ薬剤なのですが、ザルティアはあくまでも【前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤】です。
保険適用外のシアリスは簡単な問診のみでも処方が出来ますが、保険適用のザルティアの処方には厳しい制限があります。
泌尿器科などで診察、検査を受けた上で前立腺肥大症と診断され、その治療にザルティアが有効であると医師が判断しなければ保険適用とはならないのです。
また、ザルティアは2.5mg錠と5mg錠の二種類で、シアリスと比べて用量も小さく、これも当然ですが保険適用においては、希望の錠数を言えば何錠でも好きなだけ処方されるというものでもありません。 新薬のため、当初一年間は一度に14錠までしか処方出来ないという制約もあります。
こういった事情から、「シアリスの替わりとしてザルティアを保険で安く手に入れよう」と簡単にはいかないことがお分かり頂けるかと思います。
もう一つ注意しなければならないことは、万が一、重い副作用などがあった場合の問題です。
医薬品を適正に使用したにも関わらず副作用によって一定の健康被害が生じた場合、医療費が給付される救済制度があります。(医薬品副作用被害救済制度) ところが、前立腺肥大症の治療薬であるザルティアをED治療目的で使用して、副作用による健康被害があった場合は、医薬品の適正な使用とは認められない為、この救済制度が受けられません。
こういったリスクについてはメディアも取り上げていないようですのでご注意ください。